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2.犯罪発生状況・防犯対策

2.5. 誘拐・テロ対策
 【誘拐事件情勢】
 2012年4月、日本人を始めとする外国人やマレーシア人の富裕層が比較的多く居住しているクアラルン プール市街地にて、外国国籍を有する少年が身代金目的で誘拐される事件が発生しましたが、2013年9月及び11月にもクアラルンプール市内にて裕福な家 族・外国籍の幼児を狙った金銭目的と見られる誘拐事件が発生(未遂含む)するなど、都市部においても引き続き十分な注意が必要です。
 この他にも、在コタキナバル領事事務所管轄のサバ州東海岸部においては、10数年前から身代金目的の拉致・誘拐事件が頻発しているほか、下記のとおり、2013年11月以降、5件の誘拐事件が発生しています。

・2013年11月 センポルナ近海(ポンポン島)外国人旅行者2名(内1名射殺)
・2014年4月 センポルナ近海(シンガマタ島)外国人旅行者1名、比人従業員1名
・2014年5月 ラハ・ダトゥ近海(バイキ島)養魚場マネージャー1名
・2014年6月 クナ近郊(サバン村沿岸)養魚場オーナー1名、比人従業員1名
・2014年7月 センポルナ近海(マブール島)海上警察官2名(内1名射殺)

  各事件には、フィリピン南部に拠点を置く武装集団が関与しているとされ、被害者らは、リゾート施設や養魚場という海上近くで拉致され、ボートを用いてフィ リピン南部の島へ連れ去られています。なお、数名の被害者は解放等されたものの、多額の身代金を払ったとの報道もあり、また、犯人の一部が逮捕されたとの 報道もありますが、複数の犯行グループがあると言われており、全容の解明、犯行グループの壊滅には至っていません。
 これら一連の誘拐事件を受け、2014年7月中旬からサバ州東海域の夜間航行禁止令が発出され、禁止時間帯に許可なく同海域を通行する船舶は警察により逮捕された上、罰金又は勾留が課されます(2014年末現在継続中)。

 マレーシア当局は、特にサバ州東海岸における警戒を強化していますが、同地域はフィリピンやインドネシアとの国境に近く、海岸線が長く警備にも限界があるため、同地域を訪れた日本人が被害に遭う可能性も排除できず、引き続き十分な警戒が必要です。

【テロ情勢】
 2014 年9月、イスラム過激派武装組織イラクとレバントのイスラム国(ISIL)の活動に参加するためにトルコ経由でシリアに渡航しようとしていたマレーシア人 3人がクアラルンプール国際空港において拘束される等、2014年4月以降、国内各地で約40人ものマレーシア人がテロ関連容疑で逮捕されています (2014年末現在)。
 これ以外にも、既に30人を越える数のマレーシア人が、イラク及びシリアに渡航してイスラム国の活動に参加しているとみられているなど、マレーシア国内各地にテロを企図する複数の武装組織が存在していることが明らかとなっており、今後とも警戒が必要です。

  また、サバ州東海岸のラハ・ダトゥ地区、センポルナ地区、クナ地区等では、2013年2月に「スールー王国軍」を自称する外国人武装勢力による進入・占拠 事件が発生しました。マレーシア治安当局は、同年同武装勢力をほぼ制圧しましたが、完全制圧には至っておらず、2015年1月現在もマレーシア当局は警戒 体制を維持しており、2014年6月中旬には、スールー王国と関係を有するとされる6名がクナ地区で逮捕されるなど、引き続き十分な警戒が必要です。

以 上のとおり、マレーシア各地において依然として誘拐・テロの脅威があることから、十分な警戒が必要です。 サバ州東側の島嶼部及び周辺海域には、「渡航の延期をお勧めします。」(引き上げ)、サバ州東海岸のうち、ラハ・ダドゥ、クナ及びセンポルナ周辺地域に は、「渡航の延期をお勧めします。」(継続)、サバ州東海岸のうち、上記「渡航の延期をお勧めします。」発出以外の地域(サンダカン、タワウ含む)には、 「渡航の是非を検討してください。」(継続)との危険情報を発出していますので、ご参照の上、渡航の延期を含め、自らの安全につき真剣にご検討ください (外務省海外安全ホームページ:http://www.anzen.mofa.go.jp/)。
 
誘拐・テロ対策の基本

      誘拐及び殺害を目的とするテロの80%以上は車での移動中に起きています。
このため自動車乗車時を中心に、自宅周辺、通勤経路及び勤務場所周辺の警戒及び注意が誘拐・テロ対策の基本となります。

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自宅周辺及び勤務場所周辺の警戒

  •  犯人(グループ)が誘拐あるいはテロを計画し、これを実行に移すまでには相当な準備期間(2〜3か月)を要すると言われています。近 年、世界各国も誘拐犯に対しては厳しい措置及び刑罰をもって臨んでいるため、犯人も自分自身の安全に細心の注意を払い、徹底した事前準備と絶対に安全な攻 撃目標が見つかるまで様々な事前調査を行います。
    このため、万一攻撃目標リストの一人となり、事前調査の対象となった場合でも、調査段階で相当な警戒をしていることを犯人に悟らせることができれば、その攻撃目標リストから除外されるはずです。
  • 誘拐・テロ対策は犯人との知恵比べです。犯人が事前調査をする場合、必ず何らかの兆候があるはずです。 この兆候に気付くか気付かないか、どちらの備えが勝っているかで、勝負がついてしまうのです。  
  • 兆候は、例えば、自宅周辺でうろつく男女のカップルであったり、サッカーをする若者たちであったり、通勤ルートで突然割り込んでくる車であった り、物売りであったり、尾行するオートバイであったりします。あるいは、自宅または勤務先にかかってくる不審電話や電話の途中で入る雑音(盗聴されている 可能性がある)等であったりするかもしれません。これら普段との微妙な違いに気付く「直感」や「虫の知らせ」を大事にする必要があるのです。
  • 結果的には何事もないかもしれませんが、そうした「直感」や「虫の知らせ」による兆候があった場合には、自身の警戒レベルを高め、出勤ルートや時 間を変えたり、複数の同僚と共に出勤・帰宅等したり、ボディガードを雇用したり、一時的に家族全員でホテル等に移り住むなども検討し、少しでも不安な点が あれば、躊躇無く行動に移す等、迅速かつ臨機応変な対応が重要です。
  • 自宅周辺及び勤務先周辺の警戒を常に怠らず、少しでも日常と違う点があれば、その警戒及び監視を怠らな いこと。家族及び使用人等にも何か日常と違う点があればすぐに連絡するよう徹底することが重要です。
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自動車運転時の注意

  • 車の選定にあたっては、頑丈かつ馬力のあるものを選びます。他方、金持ちの象徴と見られるような余りに も目立つもの(車種、色)は避けるべきです。また、現地で整備可能な車を選択すべきです。 
  • 故障の際の修理道具、スぺアー・タイヤ(空気圧の点検を忘れずに)、パンクの応急修復資材(瞬間パンク 修復ボンベ)、牽引ロープ、バッテリー用ケーブル、消火器等を常時積載しておきます。 
  • 窓ガラスに飛散防止フィルムを取り付けると、ガラスの強度が増し、仮に誘拐や強盗被害に遭遇した場合に、窓ガラスを割られても、割られたガラスが飛散しないので、襲撃の抑止につながります。
■ 車を運転する場合の注意事項
  • 車は毎日点検し、異常があれば速やかに整備して良好なコンディションにしておきましょう。
  • 燃料は常時十分に入れておきます。可能であれば、備蓄しておくことが望ましいでしょう。
  • 駐車しておいた車に乗る時は、車の外周、下回り、室内に異常がないかその都度点検しましょう。
  • 車 の乗り降りの際や、駐車場(車庫)から幹線道路に出るまでの間が、最も危険度が高く、狙われやすいと言われていますので、不審な車や人物が周囲にいないか注意し、少しでも 異常を感じたら安全が確認されるまで乗車・下車しないようにします。帰宅時も同様に自宅周辺の安全を十分確認した後、車を車庫に入れましょう。  
  • 駐車場はできるだけ守衛のいる所を利用し、路上駐車は避けます。駐車する場合は、短時間であっても全て のドアーをロックします。また、ものを車内に置かないようにしましょう。 
  • 走行中は全て内側からドアをロックし、窓は閉め、開ける場合は僅かの隙間だけにします。また、走行中であっても車の座席等外部から見える位置に貴重品を置いてはいけません。
  • 毎日同じ時刻に同じ通勤経路を使用するのは、一般犯罪のみならずテロ及びゲリラにも狙われやすいので通 勤経路及び時間を変えます。移動のパターンを僅かに変えるだけでも犯罪者の意図を挫き、また、その計画を放棄させるに十分の効果があります。
  • 通勤ルートは、狙われやすい危険箇所をチェックし、可能な限り危険な所を避けましょう。
  • 出先の道路事情についても、前もって調べておき、一方通行や人通りの少ない脇道は避け、出来るだけ交通 量の多い大通りを通ります。道路はできるだけ中央寄りを走行し、ハイウェイや車線の多い道路では中央レーンを走行するよう心掛けましょう。 
  • ヒッチ・ハイカーは、男女を問わず乗せてはいけません。運転する人も、同乗する人も周辺に対する注意を 怠らないようにしましょう。 
  • 長距離を走る場合は、単独の行動は避け、必ず複数の車で出掛けるようにします。夜間はなるべく一人では 運転しないようにしましょう。 
  •  先行車が急停車しても追突を避けられる車間距離を置き、後方については、尾行車に気を配ります。尾行された時は、躊躇せずに最寄りの警察署に直行するなど臨機応変な回避行動をとりましょう。
    また、不審車の特徴等の記録に努めると共に、尾行点検を怠らないようにしましょう。
  • あ らゆる損害をカバーする車両保険に加入し、交通事故に巻き込まれても、例えば車が破損するなどその損害が軽度であれば、仮に相手方が悪くとも自らの保険で 処理することが賢明です。重大事故の時は必ず警察を呼び、要すれば同僚に駆けつけてもらうことが望ましいでしょう。 
  • 専 属の運転手を雇う場合は、日頃から十分な安全運転教育を行うと共に、運転手自身がガードマンであるとの自覚を持たせることが大切です。運転手には常に車の 側にいるよう命じ、非常時の合図等を決めておきます。運転手が運転席等に見当たらない時には車に乗り込まず、常に運転手が外側からドアーを開けてから乗り 込みます。また、自分自身も後部座席ばかりに座ることなく、時には助手等に座ることも必要です。 
  • 自分自身も(新聞を読んだりせず)、追尾車がないか、怪しい車が追尾して来ないか、経路を変更させたり、スピードを加速あるいは減速させたりしつつ(これらの命令を忠実に運転手が実行できるよう日頃から訓練しておく。)、周囲を警戒しましょう。
  • 地域の特性を踏まえ、交通ルールを守り、安全運転を心掛けましょう。
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万一誘拐された 場合

  • 連行される際は、移動方向、時間、速度、距離等を記憶し、目隠しされている場合でも外界の動き(音、声、臭い)に注意します。また、犯人の特徴等にも注意します。
  • 抵抗はせず、犯人の指示にはできるだけ素直に従い、挑発したり刺激しないようにします。特に、肉体的争いは絶対にしてはいけません。可能な限り犯人と良好な関係(ある種の相互理解の雰囲気)を維持できるように心掛けます。 

  • 一般的には逃走のチャンスはないと思わなければなりません。注意深く計算し、逃走成功のチャンスが確実 にある場合を除いては逃走を図ってはなりません。
  • 犯人が身代金その他の要求を通すためには、人質自身の生存が必要であるとの認識に立ち、決してあきらめることなく、忍耐強く解放される日が来るのを待ちます。

  • 多くの人々が昼夜を分かたず自分自身の救出のための努力を続けていることを信じ、必ず解放されるとの信 念の下に、苦しい拘禁生活下でも冷静沈着に心掛け、情勢を有利に導くように努力します。また、身体及び精神の健康維持に努めます。

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家人が誘拐 された場合の家族側の対応

  • 家族各人の居場所は、常に把握していなければなりません。家族各人は、その日の日程を相互に確認し合う とともに、計画変更の際に連絡をとる習慣を 付けるようにしなければなりません。また、事前に連絡なく姿が見えなくなった場合は、直ちにその理由を解明しなければなりません。
  • 万一家族の一員が行方不明となったり、誘拐されたことを示唆する連絡を受けた場合には、まず勤務先 の責任者(又は大使館)に連絡し、その対応策を協議します。
     
  • 万一の場合に備え、家族の身上記録(生年月日、血液型、体重、身体的特徴、特別な治療又は投薬の有無、 パスポート、身分証明書、運転免許証等の番号、所有車両の車種、色、ナンバー・プレート等)を準備しておかなければなりません。
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テロ(武器 による攻撃)からの防護

  • テロ対策は、基本的には誘拐対策と同じ注意が必要ですが、テロあるいはゲリラ・グループに狙われたら容 易には防ぎきれませんので、生活面や移動時の安全には細心の注意が必要です。

  • 車は防弾車あるいは簡易防弾加工のものが望ましいですが、個人がこれを装備するには経済的な限界もあり ますので、努めて頑丈な車を使用し、車には小型無線機、防弾チョッキ等を常備します。

  • 運転者に「ディフェンシブ・ドライブ・テクニック(防御運転術:追跡から逃れたり、道をブロックされた 場合に包囲から脱出あるいは回避するための特殊な運転技術)」等の訓練を受けさせることも必要です。
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