JICA技術協力プロジェクト「新型コロナウイルス対策ワクチン流通体制強化計画」を通じた日本政府から保健省へのワクチン用コールドチェーン機器供与

令和3年11月15日
11月15日、岡大使は、JICA技術協力プロジェクト「新型コロナウイルス対策ワクチン流通体制強化計画」を通じた日本政府から保健省へのワクチン用コールドチェーン機器供与の供与式に出席しました。
今回の供与は、日本政府が進めるワクチンを確実に一人一人に行き渡らせる「ラストワンマイル支援」の一環として実施されたものです。今回日本政府が供与したワクチン用コールドチェーン機器は約600万リンギ相当で、構成は以下の通りです。
- ワクチン保管用冷凍冷蔵庫 184台
- 蓄冷材付きコールドボックス(8.0L) 1,163台
- 蓄冷材付きコールドボックス(1.67L) 180台
- データロガー 1,579台
 
これらのワクチン用コールドチェーン機器は、国家ワクチン接種プログラムの一環として、マレーシア全土の公立病院におけるCOVID-19ワクチン保管体制の強化に使用されます。
JICA技術協力プロジェクト「新型コロナウイルス対策ワクチン流通体制強化計画」はマレーシアにおける新型コロナウイルス対策能力を強化するためのプロジェクトです。今回のコールドチェーン機器の供与や、保健所での対応や医療機器の運用管理を始めとする新型コロナウイルス対応にかかるセミナー開催を通した日本の医療的知見の共有のほか、今後、サバ州コタキナバルでの変異株分析のための次世代シーケンサーの供与が実施される予定です。
 
供与式にはカイリー・ジャマルディン保健大臣及び深澤JICAマレーシア事務所次長が出席し、岡大使は以下のように述べました。
 
  1. JICAからマレーシア国内の病院へのワクチン保管用コールドチェーン機器の引き渡し式に参加することができ、大変光栄に思います。約600万リンギット相当のこの機器が、マレーシアでのワクチン接種を促進し、COVID-19や今後発生する公衆衛生上の問題に対するマレーシアの戦いを支援することを心から願っています。今回の協力を可能にしてくださったカイリー保健大臣をはじめとする関係者の皆様に、心から感謝の意を表します。
 
  1. また、マレーシアの日本人コミュニティを代表して、COVID-19を封じ込めるための献身的な努力、特に外国人へのワクチン接種を含む全国COVID-19予防接種プログラムを実施し、それによってマレーシアでの安全を確保してくれたマレーシア政府、特にフロントライナーの方々に、深い感謝と深い敬意を表したいと思います。今回の機器の供与は、日本とマレーシアの長年にわたる友情と連帯の最新の象徴です。
 
  1. 日本政府は、昨年世界がCOVID-19の流行に直面して以来、COVID-19がもたらす課題に対処するため、様々なチャネルを通じて世界各国に支援を提供してきました。
 
  1. 日本のCOVID-19対策への大きな貢献の一つとして、安全で効果的かつ品質が保証されたワクチンへの公平なアクセスを促進するために、日本とGAVIが共催したCOVAX AMCサミットが6月に開催されたことが挙げられます。同サミットにおいて、日本は8億ドルの追加拠出を約束し、これによりCOVAXファシリティへの拠出額は10億ドルとなりました。
 
  1. また、日本は、マレーシアにアストラゼネカ社のワクチンを約100万回分提供するなど、東南アジア諸国などへのワクチン提供を推進してきました。10月末時点で、日本のワクチン提供量は世界第3位となっています。
 
  1. 日本は、東南アジア諸国をはじめとする各国へのワクチン提供に加えて、ワクチンが現地に到着してから接種場所に届ける「ラストワンマイル支援」も積極的に行っています。今回のコールドチェーン機器の提供は、この「ラストマイル支援」をマレーシアで実現したものです。
 
  1. 世界がパンデミックを克服し、復興への道のりに誰も取り残されることのないよう、日本は引き続き積極的な役割を果たして参ります。
 
  1. 今回のコールドチェーン機器の提供は、日本とマレーシアの固い絆の上に成り立っています。来年は、日本とマレーシアの外交関係樹立65周年、東方政策40周年という節目の年です。最後に、今回のコールドチェーン機器がマレーシアのCOVID-19からの復興に役立ち、両国の協力と友情が強化されることを願っています。