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着任の御挨拶
宮川大使

                           宮川大使略歴

去 る3月6日、家族と共に、20年前に在勤した当地に着任しました。「戻って見れば、こは如何に、もと居た家も村もなく」。一抹の寂しさを感じる一方で、経 過した年月の中に、この国の政府と国民が努力して遂げてきた近代化、経済成長は、目を見張るものがあり、敬服に値すると思います。

懐かしいこの国に戻ってきて、古い友人と旧交を温め、お互いの国と国民の中に、より展開しつつ成長して来ているものを感じつつ、変わりなく大切にしているもの、なども確認したいと思っています。

そ の四半世紀弱の間に、両国関係にも、日本とこの地域との関係にも、変化がもたらされるのは当然のことでしょう。かつて我が国も支援したこの国の経済は、既 に中進国から先進国の水準を見据える段階に高まり、かつてのような開発支援、被支援の関係から、二国間の経済連携を進める関係に進んできているようです。

20 年前、自衛隊員を海外に派遣すること自体、日本国内の一部に反対があり、マレーシアを含むアジア諸国の期待に添えないことがありましたが、今やその頚木か ら解放され、今般のマレーシア航空機の行方不明事件に際しては、100名を超える自衛隊員と海上保安官の運行する航空機が、スバン空港を基地に捜索救難活 動に従事しています。

設立当時に我が国も尽力した東南アジア諸国連合(ASEAN)は、冷戦時代の対立を相克し、90年代後半に加盟国を 拡大し、年々その協力関係を深化させてきています。来年は、ASEANを共同体に格上げすることが合意されており、その年に議長国となるマレーシアの役割 は大きく、我が国としてこのような動きに協力することは、外交上の重要課題です。

そうした変化や進展の中で、日本とマレーシアの二国間関 係は、その間の日本経済の停滞や政治の変化にかかわらず、変わらず発展し、更なる深みを加えてきていると聞いて、安堵しています。日本企業の進出は約1, 400社を数え、従前からの製造業のみならず、サービス業など、マレーシア経済の高度化に呼応して進出企業の分野も多様化してきているようです。

東 方政策(ルック・イースト・ポリシー)の下で活発化した日本とこの国の人々との交流も、第二波を案出しようという勢いにあると伺い、嬉しく感じています。 日本とマレーシアの親密な関係は、過去30年以上にわたるこの政策が基盤にあります。これまでにおよそ15,000人のマレーシア人が東方政策により日本 へ留学し、マレーシアに帰国後、日本とマレーシアの架け橋として相互理解の増進と友好親善に大きく貢献しています。東方政策セカンドウェーブは、両国関係 を新たなステージへと発展させることでしょう。

20年を経てとりわけ変わらないもの、それはマレーシアの人々の心でしょうか。温順、素 朴、親切で、そのうえ親日的。家族や地域の人々との交わりを大切にし、伝統を重んじ、礼儀正しく、思いやりが深く、人情に厚い。20年前の印象は、嬉しい ことに、変わっていないように感じますが、いかがでしょうか。

最後に、日本とマレーシアの関係の更なる強化に向けての皆様の日々のご努力の一翼に、これから私も参画できることは、望外の喜びです。よろしくお願い申し上げます。

平成26年3月
在マレーシア日本国大使 宮川眞喜雄


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