在マレーシア日本国大使館

下村文部科学大臣は、５月４日（日曜日）から６日（火曜日）までマレーシアを訪問したところ、概要は以下のとおりです。

１．主な行事（５月５日）
（１）マハティール元首相表敬
（２）カイリー青年スポーツ大臣との会談
（３）カマラナダン教育副大臣との会談
（４）ザクリ首相科学顧問との会談
（５）マレーシア日本国際工科院（MJIIT）視察
（６）元日本留学生同窓会（ALEPS及びJAGAM）との懇談
（７）クアラルンプールにおける日本の教育関係者との懇談

２．概要と成果
（１）マハティール元首相表敬
　下村大臣は、マハティール元首相を表敬しました。
　下村大臣は、近年、日本の経済状況が停滞していたこと等により国民全体が後ろ向きになっていたが、安倍政権は、日本がマレーシアの東方政策にとっても魅力ある国となっていくような政策を実行してきていると述べ、教育内容を伝えるのみならず、日本語を用いて、日本の文化や日本人のものの考え方等も伝えられるような「日本式」の大学をマレーシアに誘致することについて意見交換を行いました。さらに、ASEANを中心としたアジア諸国が世界の平和をリードするための人材育成協力・交流の重要性などについても意見交換を行いました。

（２）カイリー青年スポーツ大臣との会談
　下村大臣は、カイリー青年スポーツ大臣と会談を行いました。
　下村大臣は、２０２０年のオリンピック・パラリンピック東京大会をターゲットイヤーとして進めようとしている「Sport for Tomorrow」を紹介し、ASEAN諸国含む100カ国以上・1000万人以上を対象として人材交流や人材育成支援を行う事業であることを紹介したところ、カイリー大臣は強い関心を示し、是非参加したい旨の発言がありました。また、下村大臣は、青少年交流に関し、２０１５年に開催予定の「世界スカウトジャンボリー」への参加を呼びかけるなど、ボーイスカウト活動等を通じて、今後も両国で交流を進めることを提案しました。

（３）カマラナダン教育副大臣との会談
　下村大臣は、カマラナダン教育副大臣と会談を行いました。
会談において、東方政策に基づく日本留学制度の成功について認識を共有し、今後とも、留学生交流や大学の国際化を通じて二国間の高等教育交流を促進していく方向性を確認しました。

（４）ザクリ首相科学顧問との会談
　下村大臣は、ザクリ首相科学顧問と会談を行いました。
両者は、世界の持続可能な発展のための国際的な科学技術・イノベーション協力の重要性等について認識を共有するとともに、マレーシアと日本の間においても、青少年から最先端の研究を行う研究者まで、幅広く人材交流を行い、科学技術協力を進めて行く方向性について認識を共有しました。

（５）MJIIT視察
　下村大臣は、マレーシア工科大学（UTM）クアラルンプールキャンパス内のMJIITを訪問しました。MJIITは、マレーシアが推進してきた東方政策の集大成であり、かつマレーシア・日本間での最大級の教育プロジェクトであるとともに、これまで日本側は大学コンソーシアムを結成し、教員派遣等で協力を行っています。
　MJIIT教授陣との会談において、ＵＴＭハムダニ・キャンパス長及びルビヤMJIIT院長から、今後は日本への留学生派遣、日本国内企業での研修、日本の大学との協力など、さらに交流を拡大する予定との説明がなされ、下村大臣から、日本の大学の国際化や留学生交流の拡大の観点からも、今後さらに日本の大学との協力を進めていくことが重要であり、このプロジェクトが両国関係の発展に寄与する代表的な取組としてさらに発展することへの期待が述べられました。
　その後、下村大臣は、先端集積デバイス・材料工学講座、ビークルシステム工学講座及び産業博物館を視察し、MJIITに派遣される日本人教授や日本人留学生等による研究内容等の説明を受けました。

（６）元日本留学生同窓会（ALEPS及びJAGAM）との懇談
　下村大臣は、日本からの帰国留学生のOB会（東方政策元留学生同窓会（ALEPS）及びマレーシア元留日学生協会（JAGAM）の幹部と懇談し、日本とマレーシアの間の教育交流を進めていくため、特にマレーシアにおいて日本の大学が日本語で教育を行う機関の創設の可能性等について意見交換を行いました。

（７）クアラルンプールにおける日本の教育関係者との懇談
　下村大臣は、渡辺マラヤ大学予備教育部日本留学特別コース（AAJ）日本人教師団団長、山本ＭＪＩＩＴ副院長及び中村クアラルンプール日本人学校校長と懇談し、現地における教育の課題等についての説明を受け、当地における教育活動のさらなる充実、発展のため、各人を激励しました。

マハティール元首相表敬カイリー青年スポーツ大臣との会談

カマラナダン教育副大臣との会談ザクリ首相科学顧問との会談