在マレーシア日本国大使館

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平成２５年度対マレーシア草の根・人間の安全保障無償資金協力

日本国政府は、以下の４つのマレーシアのNGOに対し、草の根・人間の安全保障無償資金協力を行うことを決定し、１１月２７日、各団体との間で契約の締結を駐マレーシア日本国大使公邸において行ないました。

■　ビューティフル・ゲート(The Beautiful Gate Foundation for the Disabled)
■　ダーラ(The Development of Human Resources for Rural Area，Malaysia (DHRRA))
■　モビリティー(Persatuan Mobiliti Selangor dan Kuala Lumpur )
■　スルタン・アズラン・シャー・リハビリセンター (Persatuan Pemulihan Sultan Azlan Shah)

（案件の概要）
１．身体障がい者によるリサイクルごみ収集システム拡張計画
被供与団体：ビューティフル・ゲート
概　　要    　：　リサイクル業種における身体障がい者の雇用促進とリサイクル品の分別業務に関する職業訓練および障がい者の自立を支援する活動促進

詳　　細　    ：　同団体は、身体障がい者に対して能力開発訓練（自立した生活を送る訓練・職業訓練等）を行うNGOであり、リサイクル品の収集・分別活動等の職業訓練を身体障がい者に行わせ、リサイクル品を販売することで身体障がい者に雇用を提供している。また、このリサイクル事業の収益の一部は、身体障がい者の能力開発訓練の費用に充てられている。
本事業ではプチョンセンターとペタリンジャヤ本部におけるゴミの収集能力を向上するため、新たにリサイクル用のゴミ箱１８０個とその輸送・設置費用、およびリサイクル品の運搬用のトラック一台につき、草の根無償による支援を行う。
また、当地において活動している王子製紙は、子会社であるGSペーパー・アンド・パケジング社と共に本事業を支援する意向を表明し、被供与団体が収集したリサイクル紙を継続的に購入するなどの支援を行う予定。

供与金額　：103,145米ドル（約324,804リンギ）
供与品目　：リサイクルゴミ箱１８０個、リサイクル品の運搬用のトラック１台

２．貧困層児童対象教育補助教材発行及び教育促進活動強化計画
被供与団体：ダーラ
概　　要　    ：　マレーシア人貧困層の大多数を構成するインド系への教育支援として、インド系児童に対し、教育補助教材として英語力向上を目指した教材冊子を発行・無料配布するとともに、学校訪問を通じた教育促進活動を強化する。

詳　　細　    ：　同団体は、インド系児童の学力向上を目指し、特に国内共通言語である英語力向上のために、タミル語と英語を併記した科学の教育補助教材冊子（９歳以上を対象としている）を2011年より発行し、インド系の公立小学校に無料配布すると共に、児童の学習意欲向上を目指したスクール・ビジット活動等を行っている。
本事業では、教材の継続発行のために、教材冊子の印刷費用を５版にわたり支援すると共に、教材冊子作成機材３点をアップグレードし、さらにスクール・ビジットに必要な機材２点の整備を行うこととしている。（教材冊子は、年５回、マレーシア国内のタミル系小学校全校（523校）に約18,600部が配布される他、連邦政府、各州政府関係部局、タミル系小学校全校の児童の親と教育者で構成する協会、本活動の支援候補者、支援企業候補等に約1,400部が配布される予定）
また、日本企業の学研マレーシアは、本案件を官民連携として支援する意思を表明し、被供与団体に対する教材冊子の内容について顧問として関与すると共に、スクール･ビジットへの協力、安価な教材冊子のコンテンツの提供等を行う予定。

供与金額　：83,528米ドル（約266,622リンギ)
供与品目　：教育冊子編集に使用する機材３点、スクール・ビジットで使用する機材２点、教育冊子の印刷費用

３．身体障がい者用福祉車両整備計画
被供与団体：モビリティー
概　　要　    ：　車椅子利用者の移動の便を図る目的の下，車椅子対応移送サービスを提供するための車椅子用リフト２台及び車椅子固定装置付車両（大型バン）２台を整備し、障がい者の社会参加を促す。

詳　　細　    ：　同団体は、安価な価格での車椅子対応の移送サービスをクアラルンプール首都圏で提供しているが、月平均の移送依頼が、サービス提供量を超えているため、ニーズに応えるためにキャパシティーの向上が必要とされていたところである。本事業では、同団体の移送サービス供給能力の拡充のため、車椅子対応の大型車両２台の追加導入を支援する。

供与金額　：74,441米ドル（約234,119リンギ）
供与品目　：大型バン（車体）２台、車椅子リフト・車椅子固定装置設置費用２台分

４．障がい者のためのリハビリセンター拡充計画
被供与団体：スルタン・アズラン・シャー・リハビリセンター
概　　要    　：　リハビリセンターに、障がい者がより自立した日常生活を送れるよう訓練するための家事用設備や各種日常生活動作用設備を整備する。

詳　　細    　：　同団体は、リハビリセンターを運営し、ウォーターセラピー用の小規模なプールを含む専門機材を使用した本格的なリハビリ・サービスを無料で提供している。本事業では、これまでのサービスを無料で拡大し、障がい者が自立して、料理、ベッドからの寝起き、パソコン操作、トイレ等の利用を含む日常生活を送れるよう指導するための設備として、家事用設備や日常生活動作用設備を備えた自立生活訓練センターの増設を支援する。障がい者への電動車椅子の操作指導や、同事業では、パソコン操作等の指導等を通じて、障がい者の職業訓練を行うことも計画されている。

供与金額　：23,209米ドル（約74,085リンギ)
供与品目　：改装費用、リハビリ訓練用家具、リハビリ訓練用電化製品、リハビリ訓練用電動車椅子２台