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在留邦人の皆様へ
マレーシアは、これまでに実施されてきた政府
の様々な取組や衛生状況の改善を反映して、全般的にはかつてに比べ感染症の発生頻度は減少してきているとはいえ、熱帯性気候ゆえに感染症にかかるリスクの
高い土地柄であり、以下のような感染症には普段から注意することが重要です。 1.デング熱・チクングニヤ熱
ネッタイシマカ等の蚊がデング熱ウイルスを媒
介することにより感染するデング熱は、現在、国内で最も発生率の高い感染症となっています。政府は、発生予防に向けた普及啓発や蚊の発生を放置する施設等
への取締りなどの取組を精力的に行っていますが、スランゴール州やクアラルンプール連邦直轄区での報告が目立っており、多くの会員の皆様にとって注意を要
する感染症と言えます。症状は風邪に似ており、感染から2〜7日目に頭痛、関節痛及び筋肉痛を伴う高熱を発し、発疹が見られることもあ
ります。軽症で済む場合が多いとされますが、致死率の高いデング出血熱の報告数も昨年に比べて多く報告されています。予防接種や予防薬、感染後の特効薬は
ありませんので、ご家庭やその周辺において蚊が繁殖するような場所
を作らない、虫除けや蚊取り線香、殺虫剤を使用する、服装を工夫する(長袖シャツ・長ズボンの着用)などして、日頃から蚊に刺されないようにすることが重
要です。
デング熱同様、チクングニヤ熱ウイルスを蚊が
媒介することにより感染するチクングニヤ熱も近年多く報告が見られるようになりました。感染するとデング熱同様、発熱、関節炎、発疹などの症状が現れます
が、デング熱と異なり死亡することは稀とされています。予防方法は、デング熱と同様です。 2.手足口病
手足口病は、1997年にサラワク州で児童の間で死亡例を
含む大流行が見られ、その後も各地でしばしば発生が確認されています。主に子供がかかる感染症とされていますが、大人でも感染することがあり、注意が必要
です。主な症状としては、感染から3〜5日目に発熱と、病名が示すとおり口内炎や手のひら、足の裏の発疹などが現
れます。手足口病の原因となるウイルスは複数あり、感染しても通常は軽症で済むとされますが、特定の種類のウイルス(エンテロウイルス71)に感染した場合には、髄膜炎などの合併症を引き起こし死に至ることも
あります。 手
足口病についても、予防接種や治療に効果的な医薬品はありません。感染している人の鼻汁や唾液、これらに汚染された水、便などに触れることによって感染し
ますので、ご家族が感染した場合には、手洗いの励行、くしゃみの際に口鼻を押さえるなどして予防・拡大防止を心がけてください。集団発生が確認された保育
園、幼稚園などでは感染拡大防止のため休園の措置がとられることもありますので、施設側の指示に従うようにしてください。 3.その他
結核は、マレーシア国内でここ数年発生数の増加傾向が見られ、日本同様に世界保健機関により「中まん延国」として分類されるなど、未だ軽視できない感染症
です。最近では、特に違法外国人労働者が結核やマラリアの国内での感染を拡大させているとの指摘もあり、メイド等を雇用する場合は注意する必要がありま
す。
腸チフス、コレラなどの食品や水を通じてまん延する感染症については、散発的な発生は見られるものの全般的には発生は減少傾向にあります。また、食中毒に
ついても、学校等の施設において散発的に報告されています。魚介類などは生で食べることを避け、加熱調理をするなど、日頃から食品の食べ方には留意する必
要があります。 マレーシアで生活していると、身の回りで感染症にかかったという話
を聞かれることも多いと思います。日頃から感染症の発生状況に気を
配り、身の回りで衛生状態を良好に保つとともに、重篤な結果を招くことのないよう、高熱が続く等の症状があらわれたら早めに医療機関にて受診するよう心が
けることが重要です。 |
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