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海外安全対策情報(平成25年4月〜6月) |
1 治安情勢及び一般犯罪の傾向
マレーシア国内における2012年中の犯罪発生認知件数(除く知能犯罪、薬物犯罪等)は、153,669件で、前年比マイナス12,626件となりまし たが、殺人事件は602件と発生率は日本の約2.7倍、強盗事件は20,140件と発生率は日本の約25倍であり、日本と比較すると未だ厳しい治安情勢に あります。 なお、統計上の改善傾向に反し、殺人事件や持凶器集団強盗事件等の凶悪犯罪が頻発するなど体感治安は悪化しており、邦人被害に係る窃盗、強盗事件も依然として多数発生しているため、防犯対策には十分な注意を払う必要があります。 2 一般犯罪・凶悪犯罪の事例・手口 (1)邦人被害事件 在留者、旅行者を問わず、多数の邦人が、ひったくり、置き引き、車上狙い等の窃盗被害に遭っているほか、下記の様な事案も発生しています。 ○ 強盗未遂(自動車事故を偽装した自動車強盗未遂) 5月27日午後10時30分頃、スバン空港近くの路上において交通事故を偽装した自動車強盗未遂事件が発生しました。邦人男性が運転手付きの社用車(ト ヨタ・カムリ)で帰宅中、後続車両(ホンダ・シティ青色)から接触され、相手車両が路肩に停車したことから、続いて停車したものの、相手車両から降りてき た男がパラン刀を所持し運転席に近づいたため、社用車の運転手は咄嗟に車を降りて避難し、後続車両に助けを求めました。邦人男性は車両に乗車したままでし たが、冷静にドアをロックしたことで、犯人は強奪を諦めて車両に乗車して逃走したとのことです。 ○ 強盗(昏睡強盗) 6月13日、旅行中の20代邦人男性が被害となる昏睡強盗被害が発生しました。クアラルンプールで知り合った欧州系外国人旅行者2名とマラッカへ旅行へ行 き、宿で飲食を共にした後に急に眠くなり、翌朝部屋で目覚めた時には、旅券以外の所持金品が全て無くなっていたとのことで、飲食物に薬品を混ぜられた可能 性があります。 ○ 車上狙い 6月10日(月)午後2時45分頃、セランゴール州ペタリンジャヤ近郊において、銀行から現金を引き出したばかりの邦人女性が車上狙いに遭う事件が発生し ました。同女性が車を購入するための現金を銀行窓口で下ろした後、知人男性の車両に乗車し、銀行近くのコンドミニアムに忘れ物を取りに行った知人男性が戻 るまでの間、近傍路上に駐車した車両で待っていた際に、見知らぬ男が車のドアをノックし、「1リンギ札が車の周りに落ちている。」と声を掛けられ、無視し ていたものの、「あなたが落とした。」等繰り返し話し掛けられたため、仕方なく車を降りて、お札を拾い集めた後に車内を確認したところ、座席の上に置いて いた下ろしたばかりの現金を入れたバックが無くなっていることに気付いたもの。目撃者によると、声を掛けてきた男が、その直前に紙幣を撒き散らしていたと のことで、被害女性が紙幣を拾い集めている間に、後方から車両が近づき、降りてきた2人組の男がバックを奪い、更に車のタイヤをパンクさせて逃走したとの ことです。犯人らは銀行から後をつけて犯行の機会を伺っていたと思われます。 ○ 国際送金詐欺 日本在住の邦人が、インターネットを通じて知り合った人物から様々な名目でマレーシアへの国際送金を依頼され、多額の現金を騙し取られる被害が多発して います。代表的な例は、フェイスブック等のSNSを通じて親しくなった異性から、税関での罰金・保釈金や治療費名目等で送金を懇願され、ウェスタンユニオ ン等の国際送金サービスを通じて日本からマレーシア宛に送金してしまうものです。犯行は組織的に行われ、交際相手(架空の人物)の他、税関職員や宅配業者 等、巧妙に役割分担を行って送金を促し、一度でも送金すると更に高額の送金を要求してきます。 (2)その他事件 首都圏所在のレストランで店の売上金や食事客を狙った強盗事件が多発しています。被害の多くは深夜遅くまで営業しているローカル・レストランで、複数の犯 人が刃物等の武器を所持して営業中の店内に乗り込み、店の売上金や食事客の所持金品を強奪するという大胆な手口です。 3 テロ・爆弾事件発生状況 (1)武装勢力の侵入事案 2月中旬にコタキナバル出張駐在官事務所管轄のサバ州南東部ラハ・ダトゥ地区ほかにおいて、「スールー王国軍」と称する数百人規模の武装勢力 がフィリピン側から侵入する事案が発生し、当地治安部隊が空爆を含む制圧作戦を実施したことから、武装勢力及び治安部隊の双方に多数の死傷者が出ました。 6月末、同制圧作戦は完了しましたが、東サバ治安司令部による作戦が継続されています。同地区ほかに対しては、6月末現在においても渡航情報「渡航の延期をお勧めします。」等を継続しており、引き続き十分な警戒が必要です。 (2)選挙戦に絡む爆発物事案 5月5日に実施された当地総選挙の選挙運動期間中、与党連合選挙事務所において即席爆発装置(IED)が爆発する事案や火焔瓶が投げ込まれる事案が発生す るなど各地で暴力的事案が頻発したほか、選挙結果確定後も、反発する野党陣営・同支持者等が大規模な反政府集会を開催する等、一部で混乱が継続しており、 引き続き注意が必要です。 4 対日感情 全体的に良好ですが、終戦記念日前等の時期や尖閣諸島問題をとらえ、一部華人系新聞に反日的な記事が散見されることがあります。 5 日本企業の安全に関する諸問題 一般的に窃盗や強盗等の被害にあわないように十分注意する他、会社内部の者や警備員が手引きしたと思われる被害も発生していることから採用、人事、勤務管理等に注意を払う必要があります。 |