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海外安全対策情報(平成27年1月〜3月)

【1.治安情勢及び一般犯罪の傾向】
 マレーシア国内における2014年中の犯罪発生認知件数(除く知能犯罪、薬物犯罪等)は、128,544件で、前年比マイナス18,518件と大幅に減 少し、殺人事も510件と前年比117件の減少となっていますが、発生率では日本の約2倍であり、更に強盗事件の発生率は日本の約23倍と、日本と比較す ると未だ厳しい治安情勢にあります。
  なお、統計上の改善傾向に反し、殺人事件や持凶器集団強盗事件等の凶悪犯罪が頻発するなど体感治安の改善には程遠く、邦人被害に係る窃盗、強盗事件も依然として多数発生しているため、防犯対策には十分な注意を払う必要があります。
   テロ情勢については、近年ここマレーシアにおけるテロ事件の発生はありませんが、3のとおり、いわゆるイスラム国(ISIL)の活動に参加するためにシ リアに渡航しようとしていたマレーシア人がクアラルンプール国際空港において逮捕される事案や戦闘員のリクルート活動等に関与していた者の逮捕が相次ぐな ど、今後とも情勢の変化に注意する必要があります。


【2.一般犯罪・凶悪犯罪の事例・手口】
【邦人被害事件】
  在留者、旅行者を問わず、多数の邦人が、ひったくり、置き引き、車上狙い等の窃盗被害 に遭っているほか、下記の様な事案も発生しています。

ア 侵入盗(コンドミニアムでの連続被害))
 2月4日、午後1時頃から午後3時頃までの間、KLCC地区に所在するコンドミニアムに高級外車に乗車した4人組の男が、アクセスカードを用いて正面 ゲートから敷地内に侵入し、約2時間で在留邦人宅を含む6軒の留守宅に侵入して犯行に及び現金等を窃取した上で、再び正面ゲートから車で逃走した事案で、 犯人らは被害宅の玄関扉をバール様のもので破壊して留守宅に侵入し、室内を物色しています。

イ 国際送金詐欺(ロマンス詐欺)
 日本在住の邦人が、インターネットを通じて知り合った人物から様々な名目でマレーシアへの国際送金を依頼され、多額の現金を騙し取られる被害が依然として多発しています。
  代表的な例は、フェイスブック等のSNSを通じて親しくなった異性から、税関での罰金・保釈金や治療費名目等で送金を懇願され、第三者名義の当地銀行口座 宛てに海外送金したり、ウェスタンユニオン等の国際送金サービスを通じて日本からマレーシア宛に送金してしまうものです。
 犯行は組織的に行われ、交際相手(架空の人物)の他、税関職員や宅配業者等、巧妙に役割分担を行って送金を促し、一度でも送金すると更に高額の送金を要求してきます。

ウ インターネット・オークション詐欺
 日本在住の邦人がインターネット・オークションサイトに出品中の品物を騙し取られる詐欺で、スマートフォンや貴金属類等の換金価値のあるものを狙い、質 問メール機能を利用して出品者に直接連絡をとり、高めの即決額を提示して直接取引に同意させ、海外銀行を装って送金依頼を受け付けた旨のメールを送りつけ て国際送金したように装った上で、品物をEMS(国際スピード郵便)でマレーシアに送らせて騙し取るものです。犯人は、EMSの配達状況追跡サービスを悪 用し、郵便局到着を見計らい、郵便局にて直接受け取っている様です(配送先住所には居住事実がなく、受け取り時に提示する身分証明書も偽造のものを用いて いると思われます。)。
 海外からオークションサイトを通さない直接取引を持ちかけられたり、銀行口座への入金確認前にも関わらず、理由を付けて直ぐに送って欲しいとの依頼があった場合は、疑ってかかる必要があります。



【3.テロ・爆弾事件発生状況】
 【武装勢力の侵入事案】
 2013年2月中旬に在コタキナバル領事事務所管轄のサバ州南東部ラハ・ダトゥ地区ほかにおいて、「スールー王国軍」と称する数百人規模の武装勢力が フィリピン側から侵入する事案が発生し、当地治安部隊が空爆を含む制圧作戦を実施したことから、武装勢力及び治安部隊の双方に多数の死傷者が出ました。同 年6月末、同制圧作戦は完了しましたが、東サバ治安司令部による作戦が継続されており、2014年6月中旬には、スールー王国と関係を有するとされる6名 がクナ地区で逮捕されるなど、未だ支援者が潜伏している可能性が高いとされています。同地区ほかに対しては、3月末現在においても危険情報「渡航の延期を お勧めします。」等を継続しており、引き続き十分な警戒が必要です。
 【テロ情勢】
 ISIL の活動に参加するためにトルコ経由でシリアに渡航しようとしていたマレーシア人がクアラルンプール国際空港において逮捕される事案や戦闘員のリクルート活 動等に関与していた者の逮捕が相次ぎ、また、被逮捕者も主婦や公務員といった一般市民であるなど、支持者の裾野が広がっていると言わざるを得ない状況であ り、2013年2月以降、70人以上がテロ関連容疑でマレーシア国家警察に逮捕されています(3月末現在)。
 これ以外にも、既に70人を越える 数のマレーシア人が、イラク及びシリアに渡航してISILの活動に参加しているとされ、更に複数の戦闘経験者がマレーシアに帰還しているとみられているな ど、マレーシア国内各地にテロを企図する複数の武装組織や個人が存在していることが明らかとなっており、今後とも十分な警戒が必要です。


【4.誘拐・脅迫事件発生状況】
 【外国人襲撃・誘拐事件】
 在コタキナバル領事事務所管轄のサバ州東海岸部においては、10数年前から身代金目的の拉致・誘拐事件が頻発しているほか、下記のとおり、2013年11月以降、5件の誘拐事件が発生しています。

      ・2013年11月 センポルナ近海(ポンポン島)外国人旅行者2名(内1名射殺)
      ・2014年4月 センポルナ近海(シンガマタ島)外国人旅行者1名、比人従業員1名
      ・2014年5月 ラハ・ダトゥ近海(バイキ島)養魚場マネージャー1名
      ・2014年6月 クナ近郊(サバン村沿岸)養魚場オーナー1名、比人従業員1名
      ・2014年7月 センポルナ近海(マブール島)海上警察官2名(内1名射殺)

  各事件には、フィリピン南部に拠点を置く武装集団が関与しているとされ、被害者らは、リゾート施設や養魚場という海上近くで拉致され、ボートを用いてフィ リピン南部の島へ連れ去られています。なお、数名の被害者は解放等されたものの、多額の身代金を払ったとの報道もあり、また、犯人の一部が逮捕されたとの 報道もありますが、複数の犯行グループがあると言われており、全容の解明、犯行グループの壊滅には至っていません。
 これら一連の誘拐事件を受け、2014年7月中旬からサバ州東海域の夜間航行禁止令が継続して発出されており、禁止時間帯に許可なく同海域を通行する船舶は警察により逮捕された上、罰金又は勾留が課されます。
 同地区ほかに対しては、3月末現在においても危険情報「渡航の延期をお勧めします。」等を継続しており、引き続き十分な警戒が必要です。


【5. 対日感情】
 全体的に良好ですが、終戦記念日前等の時期や尖閣諸島の領有権をとらえ、一部華字紙に反日的な記事が散見されることがあります。


【6. 日本企業の安全に関する諸問題】
 窃盗や強盗等の被害にあわないように十分注意する他、会社内部の者や警備員が手引きしたと思われる被害も発生していることから採用、人事、勤務管理等に注意を払う必要があります。


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