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在マレーシア日本大使館 日 本でも2004年以来、鳥インフルエンザの感染が発生し、大量の鶏が処分された映像が断続的に流れていますが、まだ人に感染するような状況にはなっていま せん。世界的にはこの数年アジアを中心に鳥インフルエンザによる死者が毎年数十名になるという状況が続いていますが、現時点では局地的、散発的なものにと どまっています。 その意味で、ニュース性としては目新しいものがなく小康状態が続いているといえますが、いつ でも大流行がおこるおそれがあるという状況に変わりはありません。第1次世界大戦後に大流行したスペインインフルエンザでは、世界で約4,000万の人が 死亡したといわれており、日本でも多数の方が亡くなりました。 そこで、マレーシアに住まれる皆さんがいざという場合に備えて、この鳥インフルエンザについて最低何を知っておくことが望ましいかという観点から、説明し たいと思います。 1.マレーシアの状況 鳥インフルエンザは家禽の間でこれまでに3回(2004年、2006年、2007年)発生しています。発生の都度、補償を 伴う形で鳥や卵の処分などを行 い、終息宣言を出しています。以下の表の通り、近隣のインドネシア(2003年から2008年の死者累計112)、タイ(同17)、ベトナム(同52)で 多数発生し人にも感染しているのに、なぜマレーシアでは比較的軽微な状況にとどまっているかといえば、人の鳥との接触の程度が異なることや処分の際に補償 を行うことにより早期の探知につなげていること等がその理由として考えられます。 しかし、鳥インフルエンザはまさに国境を容易にまたいで感染することから、近隣国に 潜在的な大量発生国があることからも、大流行の危険が高い国と考えるべきでしょう。 ヒトでの鳥インフルエンザ(H5N1)確定症例数(2008年9月10
日WHO公表)
出典:WHO ホームページ マ レーシアの体制ですが、すでに2006年に国家インフルエンザ対策行動計画を策定し、いざという場合の体制を整えています。また、感染を疑われる者を隔離 する際の施設を備えた病院も全国で23が指定されています。因みに、クアラルンプールではクアラルンプール病院、スランゴール州ではマラヤ大学病院等3カ 所が指定されています。また、タミフル等の治療薬も政府主導で備蓄され、その量を増やしています。いざという場合の訓練も実施されており、総じて着実に体 制を整えているといえると思われます。 指定病院(23ヶ所)
出典:保健省
2.日頃の備えの留意点 マレーシアの現状からは、当地に生活する者としてやるべきことは、鳥にむやみに近づかないといった注意と、下記の3.のいざという場合に備えて必要物資の 備蓄を行っておくという以外に多くはありません。 鳥にむやみに近づかないという点については、生きた鳥との接触により人に感染することはまれといわれていますが、用心する ことに越したことはないでしょ う。流行地への渡航や人混みへの外出を控え、日頃から手洗い、うがいを念入りに行うことが大事です。この点、通常のインフルエンザ注射を打っていれば、あ るいは、感染を防ぐことになるかもしれないとの指摘もあります。 必要物資ですが、感染症が大流行する際には、交通 や、電気・水道・食料の供給などの生活の基盤をなす活動が機能せず、これに伴う社会の混乱によって各種の物品を入手することが困難となることも考えられま す。感染した人との接触機会を減らすという意味においても、さしあたり外出しなくてもよいだけの最低限(少なくとも2週間程度が目安)の食料、日用品、常 備薬等の生活必需品は備蓄しておいた方がよいでしょう。 個人での備蓄物品の例
3.流行の際の心得 鳥・新型インフルエンザの流行とは何かといえば、世界保健機関(WHO)が宣言することになっている「フェーズ4」という 段階です。これは「ヒトーヒト感 染が増加していることの証拠がある」という状況です。よりわかりやすくいえば、普通の生活をしていて、職場や公共の場所で感染してしまう可能性が少なから ずあるといった状況であり、これはかなりパニックものといえます。 したがって、この宣言が行われる以前にも、何らかのアクションをとる必要があるかもしれません。そのような状況が具体的にどの程度かというのはなかなか表 しにくく、世界保健機関の宣言が遅れる可能性も排除されません。 因みに、「フェーズ3」は「ヒトーヒト感染は無いか、または極めて限定されている」という状況で、世界は現在、この段階で す。鳥は世界を飛び回り、グロー バル化でヒトが世界中を駆けめぐるので、国ごとの指定ではなく、世界全体が「フェーズ3」という定義になっています。 「フェーズ4」の段階、または直前の段階になると、流言飛語も飛び交うおそれもあり、心理的にも不安が増す状況になる可能 性が高くなるので、冷静に行動す ることが望まれます。この時点でのすべての注意を網羅することはできませんが、いくつか重要な点をあげると以下の通りだと思われます。 (1)不要不急な外出を避ける。 上 記のとおり、不要不急な外出を避け、感染することから自らの身を防衛することが考えられます。そのためにも備蓄は重要です。 訪問者や同級生からうつるということも想定する段階になるかもしれません。職場で、同僚や職員からうつる可能性を考える時期になり、職場の部屋の配置や職 員の帰省を規制するといったことも考えられます。また、大使館でも、領事窓口での対応に際し感染が広がらないような手法を検討することになります。 (2)早めに日本に帰ることを判断する。 状況が厳しくなると日本への帰国便の予約がとりにくくなったり、さらに厳しくなると定期便が飛ばなくなるといった事態も考えられます。帰国便の機内で感染 することもありえなくはありません。早め早めに帰国することが最も安全ということになりますが、その判断は各自の判断に任されざるをえません。いずれにし ても、帰国しない場合には自宅で長期蟄居という可能性があり、備蓄が必要になります。 また、流行時にすぐに出国できるように現金、パスポートの残存期間が6ヶ月以上あること(周辺国経由で帰国する際のため)、査証の有効期間を確認しておく ことも重要です。(3)感染した場合 家族や知合いが感染する、ないし感染のおそれがあるという最悪の事態も考えておく必要があるでしょう。典型的な症状として は、突然の高熱(ほとんどは 38℃以上)、咳などの呼吸器症状、全身の倦怠感、筋肉痛などの全身症状等が現れます。そのような疑いがある場合には、まず、感染の有無を確認するため最 寄りの信頼できる医療機関で受診し、感染が確認された場合には、致死率が高いことから身近にいる人たちも至急受診する必要があります。 上記のとおり、マレーシアは治療薬の備蓄充実など政府の取組が進んでいることや、医療水準が周辺国と比べて高い水準にあることもありますが、大流行に至る 前に必要な対応をとる必要があります。 外務省では海外の日本人の生命、身体を守るための緊急的な対応用として、医療事情の悪い地域に住む海外邦人用として一定数 のタミフルを確保しています。不 幸にして(海外で)感染し、当地で適切な治療が受けられないこととなった場合には、上記の通り、最寄の医療機関における医師とも相談の上、当館や最寄りの 公館に相談ください(いずれにしろ、タミフルを服用するには医師の処方が必要です)。 以上の情報に加え、詳細な情報を得ておきたい方については、様々な情報が各機関からでており、大 使館のホームページからアクセスできるようになっていますので、ご参照ください。 2008年10月6日 |
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